Gakii's Barの肴

三両編成だからなのか

モノレールの車内は混んでなかった（お昼過ぎは一番空いている時間帯かな）

先頭車両に乗り込む　端っこの席が好みだ

向かい側に座っているご婦人は

僕より少し年上だろうか　マスクにメガネ

目を閉じているが眠っている感じでは無い

膝の前には小さめの黒いキャリーケース

旅行ではなさそうで　他の用事かしら

黒のパンツスーツは法事とか・・・


もうすぐ次の駅に到着です

その時事件は起こった！

電車がホームに近づいてブレーキが掛かる

すると慣性の法則で　黒のキャリーケースが

コロコロコロと社内前方に移動して

一番前の進行方向に向いている座席とドアの間に止まった

僕の横でスマホを眺めていた若い女性もそれを見て

アララ　という表情をしていたが　すぐにスマホにもどります

当のご婦人はというと　まったく気づく様子がありません

熟睡してたんかい・・・さあどうする・・・


女性に声を掛けるのは　なるべく女性の方がいいと思うので

横のあなたの役目だと思うんですけど・・・スマホから離れる様子は無い


次の駅はキャリーケースの反対側のドアが開くから

何かの拍子に　車外にケースが飛び出る心配はなさそうだ


そのままにしておけば　次の駅から発車するときに

逆の慣性の法則で　ケースがまた元の位置に戻って来るかも


いやいや　ストッパーが掛かっていないのだから

ご婦人の前を通り過ぎて　車両の最後部まで行ってしまうかもしれん・・・


そんなことを１、５秒ほど考えて

やっぱり声を掛けることにした

次の駅で乗客が入ってきて

ケースを見て　なんじゃこりゃ　という時に

知らぬふり　というわけにもいくまい


チョンチョンと肩のあたりをつつくと

さすがに眠りから覚めて目が合います

ケースの方を指差せば事足りる（なので声を掛けたわけでは無い）

　「あらまぁ　どうも」


きっと

超過密スケジュールだったんでしょうね……。